【卒論】電解生成スーパーオキシドを用いるポリフェノール類の抗酸化能評価⇒#520@卒論;
電解生成スーパーオキシドを用いるポリフェノール類の抗酸化能評価
木村 祐哉, 山形大学 物質化学工学科, 卒業論文 (2013).
電解生成スーパーオキシドを用いるポリフェノール類の抗酸化能評価
【反応式】O2(-)(aq)<->O2O2(-)(aq)<->O21)
【生成方法】電気分解電解生成スーパーオキシドのまとめ2)
【支持電解質】過塩素酸テトラエチルアンモニウム
【緩衝溶液】0.1M PBS水溶液(pH 7.4)
【生成手順】
(ⅰ)デシケーター内で支持電解質(C2H5)4NClO4(過塩素酸テトラエチルアンモニウム)0.057 gを20 mLスクリュー管に入れ, 乾燥保存させた.
(ⅱ)乾燥させた支持電解質に再結晶したDMSO5 mLを加え, 溶解し, 0.05 Mの支持電解質溶液とした.
(ⅲ)作用電極{グラッシーカーボン(直径3 mm)}, 参照電極(Ag), 対極電極(Pt), 酸素通気用ヘマトクリット毛細管を0.05 M支持電解質溶液の入ったスクリュー管に入れ電解セルとした.
(ⅳ)純酸素(あらかじめDMSOで飽和)を通気しながら-0.75 Vvs.Agで10分間定電位電解を行った.
(ⅴ)続いてスーパーオキシドの発生を維持するため30分間-0.4 mA定電流電解を行った(この状態でESR測定).
→ 結果:十分な量(24μM)のDMPO-O2-を測定することに成功した.
【図】スーパーオキシドフローインジェクション3)
ペリスタポンプ,石英試料管
【共同研究者】ふじた機能性食品のための総ポリフェノール量分析法とスーパーオキシド消去能評価法の開発に関する研究4)、やなぎさわ電解生成スーパーオキシドを用いる抗酸化能評価法の研究5)
【代表的な評価物質やフェノール化合物】
ピロガロール6),ヒドロキノン7)
【関連データ】
ピロガロールの濃度 vs DMPOとピロガロールのスーパーオキシドとの反応速度比8)
カテコールの濃度 vs DMPOとカテコールのスーパーオキシドとの反応速度比9)
カテキンの濃度 vs DMPOとカテキンのスーパーオキシドとの反応速度比10)
ミリセチンの濃度 vs DMPOとミリセチンのスーパーオキシドとの反応速度比11)
ルチンの濃度 vs DMPOとルチンのスーパーオキシドとの反応速度比12)
カテキンの濃度 vs DMPOとカテキンのスーパーオキシドとの反応速度比(その2)カテキンの濃度 vs DMPOとカテキンのスーパーオキシドとの反応速度比(その2)13)
ヒドロキノンの濃度 vs DMPOとヒドロキノンのスーパーオキシドとの反応速度比(その1)14)
【3,4-ジヒドロキシトルエンの反応速度決定実験データの再現性】
3,4-ジヒドロキシトルエンの濃度 vs DMPOと3,4-ジヒドロキシトルエンのスーパーオキシドとの反応速度比(1回目)3,4-ジヒドロキシトルエンの濃度 vs DMPOと3,4-ジヒドロキシトルエンのスーパーオキシドとの反応速度比(1回目)15)
3,4-ジヒドロキシトルエンの濃度 vs DMPOと3,4-ジヒドロキシトルエンのスーパーオキシドとの反応速度比(2回目)3,4-ジヒドロキシトルエンの濃度 vs DMPOと3,4-ジヒドロキシトルエンのスーパーオキシドとの反応速度比(2回目)16)
3,4-ジヒドロキシトルエンの濃度 vs DMPOと3,4-ジヒドロキシトルエンのスーパーオキシドとの反応速度比(3回目)3,4-ジヒドロキシトルエンの濃度 vs DMPOと3,4-ジヒドロキシトルエンのスーパーオキシドとの反応速度比(3回目)17)
【結果のダイジェスト】
いくつかのフェノール化合物とスーパーオキシドとの反応速度定数を有効数字 2桁(せいぜい1.5桁)で求めている.有効数字が2桁の理由は,フェノール化合物が分解したことや純度の確認不足(不純物の影響)が考えられているが,どちらも客観的な証拠は定められていない.
【関連執筆】
齋藤らは,この研究成果の一部を論文にまとめ,反応速度定数を有効数字 3桁で求めているPseudo flow-injection ESR technique combining spin-trapping and application to the evaluation of superoxide scavenging capacity of phenolic compound18).
【先輩】
岩~尚は、2008年に、それまでの研究を4種の活性酸素消去能評価法の開発と抗酸化総合評価への応用というテーマで修士論文としてまとめ、山形大学を卒業した4種の活性酸素消去能評価法の開発と抗酸化総合評価への応用19)。
柳~貴は、2011年に、それまでの研究を超酸化カリウムを用いるスーパーオキシド消去能評価法の研究-豆類の消去能-というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業した超酸化カリウムを用いるスーパーオキシド消去能評価法の研究-豆類の消去能-20)。
三~子は、2010年に、それまでの研究を超酸化カリウムを用いるスーパーオキシド消去能評価法の研究というテーマで修士論文としてまとめ、山形大学を卒業した超酸化カリウムを用いるスーパーオキシド消去能評価法の研究21)。
くろは、2003年に、それまでの研究を活性酸素消去能評価法の標準化(スーパーオキシドについて)というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業した活性酸素消去能評価法の標準化(スーパーオキシドについて)22)。
すずは、2003年に、それまでの研究を河川における落葉由来のスーパーオキシド消去能というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業した河川における落葉由来のスーパーオキシド消去能23)。
範馬勇次郎は、2005年に、それまでの研究をスピントラップESR法を用いた活性酸素消去能評価法の応用と過酸化ラジカルの評価法の確立というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業したスピントラップESR法を用いた活性酸素消去能評価法の応用と過酸化ラジカルの評価法の確立24)。
あびるは、2002年に、それまでの研究をポリフェノールのO2-消去能に及ぼす金属イオンの影響というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業したポリフェノールのO2-消去能に及ぼす金属イオンの影響25)。
【引用文献】
速度定数 ← 小出智子,スピントラップESR法による食品の活性酸素消去能評価に関する研究,修士論文(山形大学大学院理工学研究科物質工学専攻),1997.