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説明 | 引用 |
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その有用な性質からかつて食塩電解の水銀法の電極として使われており1)、環境に放出されて水俣病(メチル水銀中毒)を引き起こした元素。電池の負極に添加すると腐食を防ぎ保存を長くできますが、環境への負荷を考慮し、いまでは添加されていません。
単体の金属水銀2)は臭素とともに常温常圧で液体です3)。体温計や温度計に使われています。部屋の蛍光灯やスポーツの夜間照明の水銀灯などは、ガラス管に封入された水銀の気体の放電による発光を利用した照明です。
酸化水銀(Ⅱ)4)、塩化水銀5)、硫酸水銀(Ⅰ)6)は参照電極として使われます。水銀化合物には、「汞」の字を当てます。硫化水銀7)などの水銀化合物は無機顔料として朱肉に使われています。
( 1)  工業電解プロセス山下正通、小沢昭弥, 現代の電気化学, 新星社, ( 1990). ( 2)  水銀,  ,  Hg(l), FW = 0 g/mol, ( 化学種). ( 3)  無機化合物数研出版編集部, 視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録, 数研出版, ( 1998). ( 4)  酸化水銀(Ⅱ),  ,  HgO, FW = 216.5894 g/mol, ( 化学種). ( 5)  塩化水銀,  ,  Hg2Cl2, FW = 472.086 g/mol, ( 化学種). ( 6)  硫酸水銀(Ⅰ),  ,  Hg2SO4(s), FW = 0 g/mol, ( 化学種). ( 7)  硫化水銀,  ,  HgS, FW = 232.656 g/mol, ( 化学種). | ナレッジ |
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