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仁科辰夫教授 最終講義 2023.3.17 米沢キャンパス中示A

【ナレッジ】 バルブメタルって何ですか?

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題目バルブメタルって何ですか?
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親単元非鉄金属製錬と電線、航空機、自動車部品(2008)
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バルブメタル弁金属やバルブ金属も言われているものですバルブ弁のことですアノード酸化陽極酸化より金属表面その金属の酸化物の皮膜で様におおわれて優れた耐食性示しその酸化皮膜電流方方向にのみ流して逆方向には非常に流しにくいものです1)

アルミニウムタンタルニオブチタンハフニウムジルコニウム亜鉛タングステンビスマスアンチモンなどがいわゆるバルブ金属(弁金属)して知られているがこれらのうちアルミニウムタンタルその酸化皮膜電解コンデンサ用の誘電体として実用に供されていますケルステンレスなどは不働態化しても過不働態化領域まで電位上げると電流が流れてしまうのでコンデンサ誘電体向いていません

これらの金属は酸素供給空気中のO2や水H2OのOもそうですあると金属自体が酸化されて表面その金属の酸化物の皮膜作りますこれ酸化皮膜いいます酸化物は絶縁体だったり半導体だったりします絶縁体でもイオン伝導持っていますので酸化皮膜内に生成した電位勾配に応じたイオン電流流すことができますこのためその電位勾配に応じた電流が酸化皮膜生成ための電流として流れることになりますしかし酸化皮膜生成すれば酸化皮膜厚さが厚くなっていくので皮膜内の電位勾配は小さくなりイオン電流小さくなりますこのイオン電流皮膜内の電位勾配の関係は指数関数関係あり皮膜生成電流 i 電位勾配ΔEの指数(exp ΔE)に比例しますから皮膜成長よりΔEが小さくなると指数関数的に電流値が小さくなり我々が生活している時間程度の長さの時間オーダーでは無視できるほど皮膜成長電流が小さくなりますバルブメタルある環境に置いた場合このような酸化皮膜できていて見かけ上安定している状態にあるのです

アルカリ溶液中では可溶性のタングステンイオンモリブデンイオンなどのオキソアニオン生成する金属はアノード酸化できませんオキソアニオンして溶解してしまうんです

直流場合は電圧電流値に関係なく起こり得ます交流でも起こりますというか陽極酸化皮膜生成必ず起りますチタン2電極して使用しているものと仮定します金属TiからTiO2生成する反応は水素電極基準の電位系において-0.86Vです水が分解して水素ガス発生する反応の熱力学的電位が0Vですまた水の中には空気中の酸素が溶け込んでいますが酸素還元する反応(熱力学的な酸化還元電位+1.229 V)もTi酸化する反応に寄与しますのでTi溶液中に漬けた場合自然電位+0.5Vになります自然な環境でTi表面1.4Vという電位差分の酸化皮膜生成していますこのときの膜厚は数nm程度でしょうこれが最初のTi電極2本の状態と考えてよいでしょう

ではこれに5Vという電位差2本のTi電極間にかけます負極ほうは水の電気分解が起りますこのとき表面酸化皮膜であるTiO2通して水素発生が起りますそのときの電位が約-1.0 Vです電極間の電位差が5Vですから正極ほうには+4Vがかかることになりますから正極側では+0.5V +4Vに電極電位がシフトさらに+3.5V分の酸化皮膜成長しますそして皮膜内の電位勾配が小さくなるとともに皮膜成長電流小さくなります電流値が小さくなればなるほど負極Tiは自然電位近くなります自然電位+0.5 Vですから最終的には正極の電位は+5.5V程度になるものと思われますですからTi方面には+5.5-(-0.86)=6.36V分の酸化皮膜成長していると思われますこのとき正極10nm程度の厚さの皮膜が生成しているでしょう

2本の電極間の電圧逆転します負極なったTi電極上には既に6.36V分の酸化皮膜成長していますが水素発生先ほどと同じ約-1.0Vですですので新たに正極となった電極も先ほどと同じ程度の陽極酸化皮膜成長しま
両電極は等価なものとなるのです

こうなるともはや5Vの電位差かけてもほとんど電流は流れなくなりま
またTiO2n型半導体なのでもともと酸化電流ほとんど流さないも
なのです

溶液側のイオン導電率溶液抵抗も関係してきますが計算することはできますしかし溶液導電率測定するという目的からすればこれは無駄な努力のように思います

交流でも起こりますというか陽極酸化皮膜生成必ず起ります但し溶液イオン導電率測定するという目的からは交流場合は状況が違ってきます

TiO2n型の半導体ですまぁ酸化皮膜電子的には絶縁体でも良いのですがこの酸化皮膜誘電体して機能し溶液金属間にコンデンサーしての機能持ちます電子回路使われる電解コンデンサこの陽極酸化皮膜誘電体しての性質利用したものです直流場合はこのコンデンサーへの充電が終わってしまえば電流は流れなくなりますが交流場合には定常的にコンデンサー通して交流電流が流れますつまり電極表面コンデンサーこのコンデンサー間に溶液が入ることになり溶液抵抗Rsと電極表面コンデンサーCsの直列回路と等価になるのです
ですから交流電流流れることになります

溶液導電率測定するという観点からは電極表面状態少々変わっても溶液抵抗確実に測定できる必要があります電極表面変わるということはCsの値が変わるということでありこれが変わっても溶液抵抗確実に測定する為にはCsによるインピーダンスRsよりもはるかに小さいものにすればよいことになりますこれはCs大きくするということであり電極表面凸凹に荒らして実際の電極面積見かけの幾何面積よりも大きくしてやればよいことになりますもしくは交流周波数大きくしてやれば良いことになります交流周波数大きくした場合Rsは100kHz程度までは値は変わりませんので回路的にも負担の少ない周波数選んでやれば良いことになりますこの周波数としてはよく1kHzが用いられます