1.目的
鉛蓄電池は充放電を繰り返すことで負極に硫酸鉛の結晶が析出し、不働体皮膜を形成する。すなわち、サルフェーションをおこす。これにより、充電反応を妨害してしまう。 今までにサルフェーションの除去が期待されている電池再生添加剤を使用することで、硫酸鉛の大きな結晶を微細化でき、これが電解液に溶出しやすくなることで充電反応の妨害を抑制できるとされている。
よって、デジタルハイスコープ()1)を用いることでその場表面観察を行い、電池再生添加剤を使用した際に抑制効果があるかどうかを検討する。
鉛線(純度99.9% φ0.50mm)を用いてエポキシ樹脂で硬化した鉛線電極を作製した。その後、ドクターラップ(研磨機)を用いて表面研磨した。アルカリ脱脂後、試料極をアノード酸化しPbO2線電極とし、対極に作製した鉛線電極,電解液に5MH2SO4または5MH2SO4+電池再生添加剤を用いてクロノポテンショメトリーにより充放電(カットオフ電位1.8V~2.3V,電流密度0.1mA/cm2)を行い、デジタルハイスコープを用いて充放電前後のその場表面観察をする2)3)。
舘謙太4)が継承しました。
( 1)  デジタルハイスコープ,  測定装置. ( 2)  鉛蓄電池の最近の話題, 大前 孝夫, Electrochemistry, 72, No.9, 652.(2004). ( 3)  鉛蓄電池の充放電に伴う負極劣化のその場観察法による可視化○加藤正悟,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,尾形健明,菅原陸郎,小沢昭弥, 化学系9学協会連合東北地方大会, ( 2004). ( 4)  デジタルハイコープによる鉛蓄電池の充放電に伴う負極劣化の可視化舘謙太, 卒業論文, ( 2006). |