植物はその生育環境の中で様々なストレスを受けている.植物のストレス耐性を測る試みの中で,電子スピン共鳴(ESR)法による研究が始められ,傷,光,温度,気体曝露などを始めとするストレスに対する応答計測が行われている.
本研究では,スピンプローブESR法を用いて,インビボで植物のストレス応答を評価すること,および本法に関わる現象の機構解明を目標とした.具体的には,L-バンドESR装置を用いて,大気汚染物質を意図した気体(二酸化窒素,オゾン)を使用し,これらに曝露された植物の酸化還元状態の測定を行い,植物成分への阻害物質1)の影響を調べることによって,ストレス応答機構についての情報を得た.同一固体中の葉間の情報伝達を探るため、ESR画像法を用いる計測も行った。
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