有機電解液中でのアルミニウムの陽極酸化ということで先輩からひきつぎました1)。学会にも報告しました2)。
方法】有機電解液として、テトラメチルアンモニウムフタレイト、テトラエチルアンモニウムマレイト、テトラエチルメチルアンモニウムマレイトのγ-ブチロラクトン溶液を用い、加熱脱水したモレキュラーシーブスに水分を吸着させることで乾燥した。水分の量はカールフィッシャー滴定法により求めた。この電解液中でアルミニウム箔を試料極とし、参照極に銀電極を用いてサイクリックボルタモグラムを行った。さらに皮膜の耐圧の評価として定電流による電位-時間曲線の測定も行った。
【結果】水分濃度が 0.01 % 以下では、サイクリックボルタモグラムにアルミニウムの陽極酸化特有の電流平坦部分が現れない。水分濃度が 1% 以下では、平坦電流部分が現れているが(b)、水溶液中での挙動(a)とは異なり陽極酸化電流は低く、生じた酸化皮膜も電気化学的な挙動が異なる。
◆1994(平成6)年度ノート3)
( 1)  種々の電解質溶液中におけるアルミニウムの陽極酸化手塚 剛典, 修士論文, No.99999, ( 1994). ( 2)  サイクリックボルタモグラムによる有機電解液中のアルミニウムの陽極酸化皮膜の検討○立花和宏,柴田朋史,遠藤孝志,松木健三, 平成7年度化学系7学協連合東北地方大会, ( 1995). ( 3)  ◆1994(平成6)年度ノート立花和宏, 研究ノート, ( 1994). |