電流の流れる向きに注目した呼び方で、外部回路から電流が流れ込む電極。陽極。あるいは外部回路が電極から電子を吸い込む側。電気化学セルでは外部回路が電解質、あるいは電極金属から電子を吸い上げることになります。電極の金属が耐食性に乏しいと腐食して金属イオンが電解液に溶け出します。電解液が水なら酸素が発生します。クーリッジ管のような電子管ではアノードが真空中をとんできた電子の衝突を受け止めるのでターゲット(対陰極)と呼ばれることもあります。ターゲットの物質の種類によって発生する固有X線の波長が異なります。
酸化反応が進行します。電池では放電時の負極、充電時の正極に相当します。電池式ではアノードを左に、カソードを右に書きます。
陽極ともいいましたが、正極と混乱するので最近は使いません。アノードに分極して酸化する方法をアノード酸化といいます。
プラス、マイナスが電圧の高い低いに注目した言い方なのに対して、カソード、アノードというのは電流や反応の進行する向きに注目した言い方です。たとえば電流を一方向にしか流さない半導体のダイオードでは、すでにアノード、カソードという言い方が一般的です。「発光ダイオードのアノードにプラスの電圧をかけると、電流が良く流れて光りますが、逆電圧をかけると流れません。」のように使います。
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