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説明 |
酸化皮膜のアルマイトとは違ってフッ化皮膜と思われます。アノード分極時の電気化学パラメータが水溶液系とは異なり、電解質中のアニオンの種類で決まります。XPSによる表面分析ではアルミニウムの2P軌道のシフトが大きくなり、フッ素が検出されました。四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)や六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)中ではアルミニウムは不働態化しますが、同じバルブメタルのタンタルやニオブは腐食してしまいます。もし有機電解液中のわずかな水分によって酸化皮膜を作っているならタンタルやニオブも水溶液中と同じように不働態化するはずです。これらのことからアルミニウムは電解質中のアニオンと反応してフッ化皮膜を生成していると考えられます。ただし水分を少ずつ添加すると電気化学的パラメータが連続的に変化したり、XPSで酸素も検出されたりすることから、完全なフッ化アルミニウムではなくフッ化アルミニウムと酸化アルミニウムが混ざった不定比化合物からなる不働態皮膜だと考えられます。 |
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