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説明 |
-----Original Message----- 茶漉しのステンレスに白金黒をメッキしました。ホームページを見たら以下のことが掲載されています。メッキ反応後のこのような処理を行う理由を教えてください。アノード分極がよくわかりません。すみませんがもうひとつお願いします。ステンレスの脱脂ということでエタノールにつけました。このあと希硫酸につけてからメッキをしましたが、メッキ前の適切な方法がありましたらお願いします。 ----- unquote -----
http://syllabus-pub.yz.yamagata-u.ac.jp/Knowledge.asp?DSN=ElectroChem&nKnowledgeID=1303
の記事ですね。
1~3%の六塩化白金酸と酢酸鉛の水溶液をカソード分極して作ります。1gの六塩化白金酸を30mLの水にとかし、10mgの酢酸鉛を添加して、約30mA/cm2の電流密度で約5-10分カソード分極してめっきします。 めっき反応後、0.1M硫酸中でカソードおよびアノード分極し、 水洗いしてできあがりです。白金黒電極は使用しないときには 蒸留水中に保存することが大切です。
という記述ですね。白金黒の作り方もいろいろと流儀があって、 メッキ中に1~2分毎に電流の方向を変えるという方法もありま す。白金は塩化物イオンが存在すると、強いアノード分極下で は溶解しますけど、溶解速度は遅いので、一度析出した白金 はアノード分極下であまり溶解していきません。それよりも、水 の電気分解による酸素発生や塩素発生の電流のほうが大きい んです。
で、メッキ後に0.1M硫酸中でカソードおよびアノード分極する 理由は、吸着した水素や塩素などを取り除くためといわれてい ます。また、アノード分極中に白金表面に白金の酸化皮膜を 形成するのですが、このとき、酸化物イオンが白金表面の原子 間に潜り込むので、原子レベルで白金原子の配列が変わり、 カソード分極による酸化皮膜の還元によって、白金表面が原子 レベルでラフになります。白金黒は表面が荒れて比表面積が 大きいほうが良いので、こういう効果も狙っての操作ということ になります。
ちなみに、白金黒は表面が荒れて比表面積が大きいばかりで なく、活性が高いので、有機物やCOなんかを簡単に吸着して しまったりして活性を落とすことになるので、純水中で保管する ようにしましょう。
白金黒は白金電極上にメッキするのが理想的なんですけど、ス テンレス上にメッキですか。貴な電位では、電解液などの条件 によってはステンレスのほうが腐食してしまう可能性があります ね。特に塩化物イオンが存在する系では要注意です。注意しま しょう。前処理は脱脂処理を基本として考えれば良いのではと 思います。アルカリ脱脂も組み合わせたほうが良いかも。ステン レスよりも、Niのほうがいいかなぁ。でも、身近なもので実験され るんですよね?茶漉しというのは、メッシュとしては良い選択か もしれませんが、ステンレスの材質としてはあまり良いものでは ないと思いますので、貴な電位(アノード)での腐食にご注意くだ さい。
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