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代表的な活性酸素には,スーパーオキシド(O2-) ,過酸化ラジカル(ROO・) ,一重項酸素(1O2) ,ヒドロキシルラジカル(・OH)の4種類が知られている.現在までO2-評価法はかなり検討されているが,他の3種類の活性酸素に関しての評価法はまだ不十分である.本研究ではO2-,ROO・,1O2,・OHの評価法を確立し,各種活性酸素消去能評価法のプロトコルを作成する.
まず初めに,各種活性酸素の安定した発生系の検討をおこなった.O2-の実験系においては電解生成法を用い支持電解質濃度・電解方法・還元電位の違いにより,発生するO2-量の変化に着目して検討をおこなった.ROO・においては開始剤としてアゾ化合物を用い,熱反応または光解離反応について検討をおこなった.熱反応においては反応温度,反応時間の検討などをおこない,光解離反応においては,反応時間や照射する光の強さの検討をおこなった.またスピントラップ剤としてDMPOとTMINOの違いについて検討をおこない,溶媒に水(PBS)・DMSO・DMFを用い,溶媒の違いによる変化があるかどうかも検討した.1O2においては発生系にエンドペルオキシド 岩~尚, 山形大学 修士論文(), (2008). |
くろ, 山形大学 卒業論文(尾形・仁科研究室), (2003). |
HN, 山形大学 修士論文(), (2004). |
活性酸素による酸化ストレスと疾病の関係が明らかになるにつれ,抗酸化食品に注目が集まっている.これまで,種々の抗酸化能評価法が提案されているが,活性酸素種それぞれに対する抗酸化能評価法は確立されていない.本研究では,スピントラップ電子スピン共鳴(ESR)法を用いて,スーパーオキシド⇒#282@化学;および過酸化ラジカルに対する消去能評価法を確立することを目的とする.評価法の原理を図1に示す.これは競争反応を導入したスピントラップESR法であり,単独発生系からの活性酸素種に対するスピントラップ剤(DMPO⇒#2168@材料;)および抗酸化物質(試料)の反応を競争的に引き起こし,得られるDMPO-活性酸素アダクト⇒#2048@化学;⇒#467@反応;⇒#28@グラフ;のESR信号強度の比較から消去能を評価する方法である.
【後輩】中~資は、2013年に、それまでの研究を過酸化ラジカル発生系の検討と抗酸化能評価法への応用というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業した⇒#519@卒論;。 範馬勇次郎, 山形大学 卒業論文(尾形・仁科研), (2005). |
HN, 山形大学 卒業論文(), (2005). |
卒論… |