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仁科辰夫教授 最終講義 2023.3.17 米沢キャンパス中示A
ステンレ…

【キーワード】 ステンレスの茶漉しに白金黒をめっきしたいんですが


項目
ID⇒#3733
キーワードステンレスの茶漉しに白金黒をめっきしたいんですが
ソース情報
品詞
内容
-----Original Message-----
茶漉しのステンレスに白金黒をメッキしました。ホームページを見たら以下のことが掲載されています。メッキ反応後のこのような処理を行う理由を教えてください。アノード分極がよくわかりません。すみませんがもうひとつお願いします。ステンレスの脱脂ということでエタノールにつけました。このあと希硫酸につけてからメッキをしましたが、メッキ前の適切な方法がありましたらお願いします。
----- unquote -----

http://syllabus-pub.yz.yamagata-u.ac.jp/Knowledge.asp?DSN=ElectroChem&nKnowledgeID=1303

の記事ですね。

1~3%の六塩化白金酸と酢酸鉛の水溶液をカソード分極して作ります。1gの六塩化白金酸を30mLの水にとかし、10mgの酢酸鉛を添加して、約30mA/cm2の電流密度で約5-10分カソード分極してめっきします。
めっき反応後、0.1M硫酸中でカソードおよびアノード分極し、
水洗いしてできあがりです。白金黒電極は使用しないときには
蒸留水中に保存することが大切です。

という記述ですね。白金黒の作り方もいろいろと流儀があって、
メッキ中に1~2分毎に電流の方向を変えるという方法もありま
す。白金は塩化物イオンが存在すると、強いアノード分極下で
は溶解しますけど、溶解速度は遅いので、一度析出した白金
はアノード分極下であまり溶解していきません。それよりも、水
の電気分解による酸素発生や塩素発生の電流のほうが大きい
んです。

で、メッキ後に0.1M硫酸中でカソードおよびアノード分極する
理由は、吸着した水素や塩素などを取り除くためといわれてい
ます。また、アノード分極中に白金表面に白金の酸化皮膜を
形成するのですが、このとき、酸化物イオンが白金表面の原子
間に潜り込むので、原子レベルで白金原子の配列が変わり、
カソード分極による酸化皮膜の還元によって、白金表面が原子
レベルでラフになります。白金黒は表面が荒れて比表面積が
大きいほうが良いので、こういう効果も狙っての操作ということ
になります。

ちなみに、白金黒は表面が荒れて比表面積が大きいばかりで
なく、活性が高いので、有機物やCOなんかを簡単に吸着して
しまったりして活性を落とすことになるので、純水中で保管する
ようにしましょう。

白金黒は白金電極上にメッキするのが理想的なんですけど、ス
テンレス上にメッキですか。貴な電位では、電解液などの条件
によってはステンレスのほうが腐食してしまう可能性があります
ね。特に塩化物イオンが存在する系では要注意です。注意しま
しょう。前処理は脱脂処理を基本として考えれば良いのではと
思います。アルカリ脱脂も組み合わせたほうが良いかも。ステン
レスよりも、Niのほうがいいかなぁ。でも、身近なもので実験され
るんですよね?茶漉しというのは、メッシュとしては良い選択か
もしれませんが、ステンレスの材質としてはあまり良いものでは
ないと思いますので、貴な電位(アノード)での腐食にご注意くだ
さい。


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