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仁科辰夫教授 最終講義 2023.3.17 米沢キャンパス中示A

【ナレッジ】 食塩水にステンレスの成分が溶解する電位はどれくらいですか?

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題目食塩水にステンレスの成分が溶解する電位はどれくらいですか?
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説明
食塩水(導電率15mS/cm)の中でステンレス電極としたときに,ステンレスの構成物質クロムニッケルなどが析出してくるのに必要な電圧電流の大きさの概略値を知りたいのですが,これらに関するデータはお持ちでしょうか。

SUS材の腐食で、(Fe), ニッケル(Ni), クロム(Cr)が食塩(NaCl溶液中で孔食により腐食するケースだと考えると、酸素発生電位(+1.229V vs NHE)よりも卑な電位孔食が発生します。サンプル状態にもよりますが、この1Vというのが目安になるでしょう。

SUS材の不動態皮膜はCr2O3が主ですが、Al2O3に比べて電子伝導性が高いので、一旦塩化物イオン(Cl-)によって不動態皮膜に穴が開くと、局部アノードである孔食部に対して、不動態皮膜前面が局部カソード反応としてアルミニウム(Al)よりも起こりやすいことになります。このpitはどんどん状況を悪化させる方向に循環していきますので、塩化物イオン(Cl-)は大敵なんです。これを防止しようと添加される金属モリブデン(Mo)だったりします。ステンレス鋼に関しては、

http://www.steel-n.com/esales/general/jp/catalog/stainless/use1.html

をご覧いただくと良いかと思います。

ほかの先生からチラッと聞いたんだけど、NaCl溶液中で30Vも電圧をかけるとなると、これはもう溶けて当然の環境ですね。

(Au)や白金(Pt)なんかの貴金属使っても、塩化物イオン(Cl-)が存在する環境アノード分極を大きくすると、塩化物の錯体作って溶解してしまいます。じゃ、そういう環境で使える電極って何?って話になると、もうこれ以上は酸化しないけど、導電性は十分にある酸化電極が良い。DSAと呼ばれるものがこれにあたります。透明電極の中で、アンチモン(Sb)ドープのSnO2なんてのもいいですね。

アノード分極に耐えるだけでいいならタンタルは1M塩酸中で100Vでアノード分極しても表面が変色する程度でした。