電池活物質の種類が集電体アルミニウム表面の接触抵抗に及ぼす影響
(山形大学院理工1,山形大工2)○赤間未行1,大前国生2,伊藤智博1,立花和宏1,仁科辰夫1
キーワード[リチウムイオン二次電池、正極集電体、アルミニウム酸化被膜、活物質、接触抵抗]
1.緒言
アルミニウムは導電率が銀、銅、金に次いで高く、安価で軽量なためリチウムイオン二次電池正極集電体として使われている。しかし、表面に存在する強固な酸化被膜と合材との接触抵抗が高出力化を妨げている。
筆者らは有機電解液中でアルミニウム酸化被膜と合材の接触抵抗の関係を調べ、合材に含まれる活物質の誘電率とアルミニウム酸化被膜の厚みから式(1)のように定式化している。
R_c= (ρ_0 ∑_i??C_i χ_ei+ ρ_0 ?)(d+ d_0 ) (1)
R_c : 接触抵抗/Ωm^2 ρ_0 : 抵抗率/Ωm C_i : 寄与率/- χ_ei : 電気感受率/-
d : アルミニウム酸化被膜厚み/m d_0 : アルミニウム自然酸化被膜厚み/m
また筆者らは、リチウムイオン二次電池正極活物質が水溶液系でも 赤間 未行, , 伊藤 智博, 立花 和宏, 仁科 辰夫 ,表面技術協会第138回講演大会 (2018). |
電解コンデンサは、アルミニウムのアノード酸化皮膜が絶縁体として使われている。しかしながらアノード酸化で得られる酸化皮膜の結晶は不完全であり、その絶縁性は、酸化皮膜と電解液の界面によって実現されていると言っていい。デジタル機器の発達によって電解コンデンサに高周波動作が求められ、それに応えて導電性高分子アルミ電解コンデンサが実用化された。これにはイオン伝導性の電解液のかわりに電子伝導性の導電性高分子を使っている。酸化皮膜と導電性高分子の界面で実現される絶縁性についての議論がすくなく、何が漏れ電流や耐電圧に影響を及ぼしているのかその要因については不明な点が多かった。
筆者らは、定電圧印加時の漏れ電流がカソード箔によって左右されることを見出し、導電性高分子アルミ電解コンデンサの漏れ電流に影響を及ぼす要因について議論したのでそれを報告する。
高分子アルミ固体電解コンデンサの漏れ電流は、従来の電解液を使ったアルミ電解コンデンサと異なる要因が考えられる。本研究では、アルミニウムの不純物や導電性高分子の添加剤、陰極箔の表面状態などの観点から漏れ電流の生じるメカニズムについて考察する。
, , 後藤 武, 立花 和宏, 伊藤 智博, 仁科 辰夫 ,表面技術協会第138回講演大会 (2018). |