学会発表 |
インビボ(in vivo)電子スピン共鳴(ESR)法は,生体内の酸化還元機能情報を得る方法として新たな展開が図られている.そこで,インビボESRを用いて,投与スピンプローブ剤の動的変化から生体内酸化還元状態を知ることが可能になり,魚卵の防御機構などについての情報が得られるものと期待される.本研究では,スピンプローブESR法およびESR画像法を用いてサケ科魚卵の発生過程における生体内酸化還元状態を知るとともに,サケ科魚卵胚におけるストレス応答の評価技術を開発し,ストレス負荷が軽減される養殖魚育種の確立とストレス耐性系統作出への応用を図ることを目的とする. ○吉村裕,桂和彦,伊藤智博,尾形健明 ,第43回電子スピンサイエンス学会年会 (2004). |
これまで,スピンプローブ剤を投与した植物に大気汚染物質である気体の暴露を行い,インビボ(in vivo) ESR法を用いて植物内で起こる酸化還元状態の変化を観測してきた.その結果,植物内がストレス負荷によって酸化的雰囲気に移行することが見出されたが,それに至るシグナル伝達機構については不明である.本研究の目的は,局所マイクロ波ESR法を用いて二酸化窒素曝露時の植物のストレス応答を観測し.さらに,詳細な反応機構を解明するために,各種阻害剤を用い二酸化窒素曝露に対するストレス応答機構の解析を行うことである. 黒澤秀宏,富川恵子,伊藤智博,尾形健明 ,第43回電子スピンサイエンス学会年会 (2004). |
植物葉のストレス応答測定に、表面コイル型共振器を持つ低周波ESR装置が使用されている。これまでそのESR装置では、対向型の2つの磁石が使用されているために、静磁場発生用磁石の磁極間隔で試料(葉)の大きさが決まる制限があった。これを解決するために、最近、磁石一個型ESRプローブが提案された。これは試料容積に制限がないので、聴診器のようにより大きな葉の計測が可能である。また、より軽量小型化が可能であるためにフィールドワークに適している。しかし、装置の安定性や感度に問題があった。本研究では、永久磁石と表面コイル型共振器を一体化したESRプローブについて、磁場の均一性を高めるための磁気回路を試作し、屋外でのインビボ(in vivo)計測への有効性を検討する。 種市暁,伊藤智博,尾形健明 ,第43回電子スピンサイエンス学会年会 (2004). |
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