デジタルペンは、筆跡を記録する装置であり学習システム1-5)などに活用されている。過去の紙媒体に記録されたスペクトルなどの実験データを数値化するためには、スキャナやデジタイザーで取込などの複雑な作業が必要である。もし、デジタルペンでスペクトルシートなどをトレースすることにより筆跡情報から数値化できたら、より簡便に処理できる。本研究の目的は、アノト方式のデジタルペンを用いて、紙媒体に記録されたESRスペクトルから座標情報を抽出できるプログラムを開発することである。
デジタルペンを用いて42秒程度の時間で、紙媒体に記録されたESRスペクトルから座標情報に変換し、数値データとして取得することが可能となった。このプログラムは、ESRのみならず、NMR やIRなどの紙媒体で記録された化学データを簡便に数値化できるため、今後の応用が期待される。 剱~亮, 山形大学 卒業論文(尾形・伊藤(智)研), (2010). |