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仁科辰夫教授 最終講義 2023.3.17 米沢キャンパス中示A

【キーワード】 X線回折


項目
ID⇒#661
キーワードX線回折
ソース情報
品詞
内容
X線回折かいせつ

5-1 X線回折
   結晶構造いう”指紋”既存データ照合して物質同定する実験的手法

  結晶構造いう”指紋”とは何か
    →「結晶構造その中の原子距離ひとつの物質特有である異なる複数の物質全く同じ結晶構造原子距離持つことなはい
    結晶面の間隔の組合せも物質特有である

  例)面心立方構造もつような物質あるとする
    すると結晶構造中には右図のように
    (a)(100)(b)(200)(c)(111)面など
    さまざまな面があるころで原子大きさは
    元素特有だから同じ面心立方構造
    複数の物質あっても(100)面どうしの間隔は
    異なるはずである
     KCl(NaCl型構造)(100)面の間隔は6.293
    (110)面の間隔は4.450(111)面なら3.633
    あることがすでにわかっている同じ構造LiCl
    場合(100)面の間隔は5.130Åであり他の
    面の間隔もすべてKClとは異なる従って
    結晶面の間隔の組合せ調べれば物質同定
    きる

5-2 面間隔知る原理X線回折現象
  X線波長0.01100Åの電磁波通常は1Å程度のX線用いるこの波長は原子大き
 さの規模なので結晶構造調べるのに都合が良い
  原子なしている面にX線があたると部は鏡面反射し部は透過する透過したX線は奥の面で
 さらに透過部反射する…このときすべての角度で鏡面反射が起こるわけではないなぜな
 最初の面と奥の面の反射光が互いに打ち消す場合があるからである
  反射起こるのは最初の面で反射する光(ABC)奥の面で反射する光(DFH)道のりの差が波長の整
 数倍になるときだけである


 上の図において結晶面の間隔d入射角θX線波長λとすると反射起こるのは
  (Braggの式)
満たされるときだけである各自上の図からBraggの式導出できるようになること試験出す

5-3 X線回折実際
原理
 試料粉末してホルダー詰め下図左のような装置にする
 試料対して入射角θでX線当て反射角θの位置検出器反射光来たかどうか検出する
  X線通常λ=1.5406ÅのCuから出る単色光用いるX線管検出器自動的に計測円上
  動するようになっている
 もし(100)面で回折起こるような角度θ1X線管検出器来たときには試料粉末中には
  (100)面がホルダー面と平行になっているような粒が必ず存在する(粒の数がたくさんあるので偶然
  そのように向いている粒子があるはず)そのときには検出器に反射光が入る
 また(111)面で回折起こるような角度θ2おいても(111)面がホルダー面と平行になってい
  るような粒が存在するはずだから検出器反射光入るこのようにしてθ変化させて行けば
  結晶すべての面からの回折観測されるそのようにして測定した結果の例下図右に示す
 下図右の横軸は反射光が検出された角度2θある縦軸反射光強度現段階では意味
  たない2θの組合せは面間隔の組合せと同じ意味なので物質特有である













物質同定しかた
 非常に多くの物質ついてその結晶面間隔のデータ「JCPDS (Joint Committee on Powder
  Diffraction Standards)カード」に収録されている宿題に示す例えばKClについては(100)
  面が6.293(110)面は4.450(111)面は3.633Å…というように
 Braggの式使えばX線波長装置よって異なっていてもその都度2θが計算できる

  JCPDSカードn=1して計算して良いようにデータ記載されているλ=1.5406Åなら
  2θはそれぞれ14.06°19.94°24.48°…であることがわかる測定された2θがそのようにな
  っていれば物質KClであることがわかる
 JCPDSカード本学図書館にも所蔵収録されていない物質同定きないことになるが実際には非常に沢山の物質データ入っているのでそのようなことは事実上ない全く未知の物質結晶構造もX線回折解析することができるがそれについては講義の範囲越える

X線回折使用目的
 目的物が合成できたかどうかの確認
   CaOとTiO2反応させて混合物長時間加熱してCaTiO3いう化合物作るCaOTiO2CaTiO3結晶構造違うのでもしまだCaOやTiO2回折ピーク観測されれば反応完結していないわかる化学分析そのようなことは知り得ない

 不明な物質同定
   化学分析しようにもどんな元素が入っているのかわからない→X線回折ピークから同定する  
   (JCPDSカード検索インデクスもついている

マンガンリチウムX線回折1)



参考書籍…山形大学附属図書館
(1) Willson,He, X線回折によるタンパク質,核酸, , (2025/07/06 2:26:46).
(2) 久保輝一郎, X線回折による化学分析, , (2025/07/06 2:26:46).
(4) , 高分子のX線回折 下, , (2025/07/06 2:26:46).
(5) , 高分子のX線回折 上, , (2025/07/06 2:26:46).
(6) , X線回折要論 新版 カリティ, , (2025/07/06 2:26:46).
(7) , X線回折要論 カリティ, , (2025/07/06 2:26:46).
(8) , X線回折要論, , (2025/07/06 2:26:46).
(9) 菊田惺志著, X線回折・散乱技術, 東京大学出版会, (1992.6).
(10) K.C. Holmes, D.M. Blow共著/角戸正夫訳, 生化学者のためのX線解析 : タンパク質と核酸の構造研究におけるX線回折の利用, 共立出版, (1968.2).
(11) 高良和武, 菊田惺志著, X線回折技術, 東京大学出版会, (1979.1).
(12) 高良和武, 菊田惺志著, X線回折技術, 東京大学出版会, (1979.1).
(13) 山中高光著, 粉末X線回折による材料分析, 講談社, (1993.6).
(14) 山中高光著, 粉末X線回折による材料分析, 講談社, (1993.6).
(15) 山中高光著, 粉末X線回折による材料分析, 講談社, (1993.6).
(16) 山中高光著, 粉末X線回折による材料分析, 講談社, (1993.6).
(17) 眞野倖一, 神志那良雄著, パソコンによる結晶とX線回折 : アナグリフによる結晶格子の理解, 共立出版, (1989.5).
(18) 加藤誠軌著, X線回折分析, 内田老鶴圃, (1990.4).
(19) 加藤誠軌著, X線回折分析, 内田老鶴圃, (1990.4).
(20) 加藤誠軌著, X線回折分析, 内田老鶴圃, (1990.4).
(21) 加藤誠軌著, X線回折分析, 内田老鶴圃, (1990.4).
(22) 加藤誠軌著, X線回折分析, 内田老鶴圃, (1990.4).
(23) 加藤誠軌著, X線回折分析, 内田老鶴圃, (1990.4).
(24) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(25) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(26) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(27) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(28) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(29) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(30) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(31) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
(32) カリティ著/松村源太郎訳, X線回折要論, アグネ, (1961.6).
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