さまざまな形態のコンポジット電極を作成し、アルカリ乾電池およびリチウムイオン二次電池における導電助材の本質的な機能を検討した。導電助材に使える材料には電子伝導性があり、それ自身が腐食されず、その表面で電解液の酸化分解が起きないことに加えて、活物質と混合したときに電解液の浸透経路が構成され、かつ導電助材同士が接触したときその導電性が保たれることが要求される。アルミニウムはその表面に絶縁体皮膜を生成するためアルミニウムの粉を導電助材に使うとまったく電池動作しなくなってしまう。ステンレスや酸化ルテニウムなどの粉末でも十分な性能を得ることは難しい。金粉を導電助材に使った場合は表面で電解液の酸化分解が起きる上、高価で重いため、炭素導電助材がほぼ唯一の選択肢となる。
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学グループ-2004~2005),導電助材1)
1999年1月2)